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仙山線と山寺のこと

日々雑記

こんにちは、チコットです!

勘違い、思い違い、記憶違い。

みんなはちゃんと覚えてるのに自分だけは記憶にない、自分だけ間違って覚えてる。

そういうことは仕事でも普段でもよくあります。

思い出が美化されていることも。

夏の仙山線で

中学1年生の夏に1週間ほど仙台に旅行したことがあります。

私は小学校時代から東京ですが、小学校卒業と同時に仙台へ引っ越した友人が「夏休みに仙台に来ない?」と誘ってくれたのです。

仙台の七夕祭りを見せてくれたり、山海の珍味をごちそうしてくれたり・・・は、ちょっとおぼろげな記憶になってしまってて、ホントごめんなさいですね。

その仙台旅行の中で友人が「仙山線で山寺へいこうよ」と言い出しました。

センザンセンでやまでらぁ?全部聞いたことない単語でした。

友人が教えてくれます。

仙山線は仙台から山形へ向かう電車のことでした。あ、だから仙-山なのね。

山寺は、立石寺。「しずけさや、いわにしみいるせみのこえ。芭蕉の句のところだよ?」

すいません、ばしょうって何ですか、もうそこからすよ、スタートラインに立てない。

「景色がいいところだよ」

いい景色がみられるのね、うん、わかった。実は私、あまり景色には興味なくて。友人と話せて、おいしいものが食べられたらOKな、アホな中学生でした。

話があった次の日に、出かけたと思います。

初めて乗った仙山線は、確か対面シートで、エアコンは無くて、窓全開だった気がします。

友人と何を話したかもあいまいで。たぶん鉄っちゃんの彼は一生懸命に仙山線の魅力を語ってたんだろーなー。全力で謝りたい、何一つ聞いちゃいねぇ。

覚えているのは、乗客はあまりいないこと、暑かったこと、そしてやけに風通しがいいというか、ビュンビュンと空気が後ろに流れていくこと、です。

なんでこんなに風ふくんだろうと思い、シートに座りながら通路側に体を乗り出してあたりを見回して、<あっ>、ってなりました。

私たちは、最後尾の車両に乗っていました。

通路に体を乗り出して後ろを向くと、緑の木々と草と、後ろへ伸びていく線路が見えるのです。

その車両の後ろには閉まったとびらがあるはずなのに。

<うわ、きれい>って思いましたが、それを友人には言いませんでした。

<ねぇ、とびらないけど?>とも聞きませんでした。

今考えれば、とびらが無いなんてあるはずない。おとなのいまならそう思う。

でも中学生の私は通路の突き当りに、夏草と線路を確かに見ました。

お昼ご飯

どれくらい乗ったのかも当然覚えていません!!とにかく山寺の駅に着きました。

で、すぐに登りましたね、これは覚えてる。だってその頃の私は運動嫌いで太ってたから。

<なにしてくれんのよ>と若干不満を抱きながら、山道のところどころにある御堂をみても<ふーん>くらいの反応で、なにがゴールかもわからない坂を上りました。

展望台みたいなところで「お昼にしよう」と友人が持参の包みを開け始めます。

メニューは、友人のお母さんが作ってくれたおにぎりと、イワシの缶詰と、小茄子の漬物でした。

きっと風景のいいところを選んでお昼を広げてくれたんでしょう。

でも、このアホはさっぱり覚えていない。小さな街並みが見えたのか、遠い山が見えたのか、

なにか思い出になるようなものがみえたはずなのに、ごめんなさい。

でも忘れられない<記憶>がここで出来ました。

汗をかいて坂を登り友人と並んで食べるおにぎりは、おいしいでも旨いでも表現できない変な魅力がありました。

味ではなく、<いいなぁ、これ、こういうの> って、そういう感覚を口に入れていたんだと、今はそう思います。

イワシの缶詰は、言っちゃ悪いけどビンボくさい安物でした。なのに、おにぎりの魔力なのか<缶詰、最高じゃんか>になります。

さらに小茄子のカリカリ感はおにぎりを食べるのをやめさせません。

強い日差しで沸き上がった土のにおいが風に混じってる、そんな中で友人とだべる不思議なおにぎり。

おいしかったんでしょうけど、絶対にそれだけじゃない何かわからないものを友人と食べたんです。

友人はあの時のことをどう思っているんだろう。いや、覚えてるかなぁ。

記憶違いのまんまで、いく

ン10年も前のことです。

仙山線の後ろは本当に開いていたのか、おにぎりを作ってくれたお母さんはご健在なのか。そして、友人はいまどうしているのか。

いくらでも確かめられるし、探しにも行けます。ネットも発達してるから簡単です。

でも、確かめなくてもいいこともあります。

夏が来るたびに、夏休みの中学生を見るたびに、<あれは、なんだったんだろう>

ってなる感覚を消したくないですからね。

だから、仙山線に乗りにいかないし、山寺へおにぎり持ってもいかないです。

友人に再会して聞くこともしません。

このまま、いきます。

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