こんにちは、チコットです!
いままでは費用計上の仕方や決裁権限の金額帯から不正不採算を見つける方法を紹介してきました。
今回紹介するのは、<今月原価支出しているこの案件、プロジェクトの期間おかしくない?>って疑問をたまたま持ったところから、会計の問題ではなく<プロジェクト遂行上のガバナンスが無い>ことを見つけた事例です。
工期終了日が2999年3月31日の工事
こういう外注費がありました。
B市道路舗装の工期終了日の年が2999年?記載誤りじゃないの?って思いますよね。
まぁプロジェクトの担当者に聞く前に、類似事例が無いかを周辺の知り合いに聞いてみます。すると「途中で中止になって再開時期が不明なプロジェクトって、確か工期ENDを2999年に変更して区別がつくようにしてたよ」とのこと。
<な?! 中止工事なのに今月支払いが付くって何なんだよ。また原価の仮置きか?>
しかし決めつけは出来ませんので、なにも知らんふりで担当者に確認します。
無断で工事してました
担当者に確認です。
私 「2999年工期ENDの工事に原価が急に計上されてるけど、これ合ってますか?」
担当「合ってます」
私 「念のため、顧客に出してるこの時の工事日報、それと業者からの請求書を私に送ってくれます?」
担当「・・・これ、問題になってますか」
私 「まだなんも。まず、見せてください」
工事日報見て、だいたいわかりました。
工事現場は「B市道路舗装」の場所なんですけど、日誌には違うプロジェクト名が書かれています。
担当者が説明してくれました。
「中止工事が再開する話が持ち上がってるけど、その再開する工事の工期が極端に短いんです。それでたまたまその現場に近い工事があったんで、材料もあるし、少しでも進めたいし、やっちゃおう、と・・・」
私 「中止している案件の作業をするって、顧客に言ってますか」
担当「いや・・・はっきりと言ってはいませんけど、わかってくれてるかな、と思います」
んなわけあるか。違う日報出しただけじゃなく、顧客の許可も取ってないのかよ。
私 「あなたの上司に、今日のことを報告してください。私も、私の上司に報告します」
まとめ
契約が継続していますが<中止>なので顧客の設備敷地に立ち入る理由がありません。
それなのに、やってしまう。明らかに<ガバナンスの欠如>です。
この工事の時にミスして裏の真相が知れれば、「工期が短くて困る」どころかこの業界にいられるかどうかも危うくなります。
今回のは<工期の不自然さ>で、わかりました。
まだ見つけてはいませんが他にも、例えば
<この案件をなぜこの営業部が扱うのか?><この金額帯でこの顧客のプロジェクト担当は、なんでいつもこの人なの?>
もあるでしょう。 こういうのも、いずれ関数式とマクロで拾いたいと思います。
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